借家契約における更新料
港区麻布十番所在の鈴木基宏法律事務所、弁護士の鈴木です。
みなさんが建物の借家契約を締結する際に、契約更新料について説明を受けることがあると思います。
契約更新料は、文字どおり、契約を更新する際に支払う料金であり、賃借人が賃貸人に支払うものです。
この契約更新料については、民法や借地借家法など関連法には記載がなく、慣習で認められたものです。
契約条項に規定があるなど、契約当事者間で更新料を支払う特約があれば更新料は発生しますが、特約がない場合には発生しません。
ですから、契約条項には更新料に関する定めがないのに、更新するタイミングで、賃貸人が賃借人に「更新料を払え」と言ってもそれは認められません(もちろん賃借人が任意に支払うと言ってきた場合は別ですが、かなりのレアケースです。)。
また、契約で更新料について規定していたとしても、更新料が賃貸借期間との関係において過大である場合には、過大な部分については無効であるとされます。
一般的には、賃貸借契約期間2年間で更新料を賃料1ヶ月分とすることが多く、この程度であれば、無効であると判断されることはないでしょう。
一方で、賃貸借契約期間1年間で更新料を賃料2ヶ月分以上とするとか、契約期間2年間で更新料を賃料4ヶ月分以上とするような場合には、裁判になれば一部無効(例えば、賃料1ヶ月分を超える更新料は無効など)と判断される可能性があります。
建物を貸す場合には、契約更新時に更新料を請求したいのであれば、賃貸借契約にしっかりと更新料の条項を設け、いくら請求するのかまで明示することが望ましく、また、その金額が適当な金額であるように設定すべきでしょう。