サブリース契約と借地借家法の適用

港区麻布十番所在の鈴木基宏法律事務所、弁護士の鈴木です。

 

借地借家法は、建物所有を目的とする土地・建物の賃貸借に適用される法律であり、この法律により借地人、借家人は、民法の賃貸借契約関係における賃借人よりも保護されているといえます。

 

ところで、建物のサブリース契約、すなわち、建物の所有者からリーシングや賃貸管理のノウハウを持った会社(サブリース会社)が一括で賃借を受け、さらにその建物を各居室の賃借人に転貸する「サブリース方式」が巷では多く取られていますが、そもそもこの建物の所有者とサブリース会社との間の賃貸借契約(いわゆるサブリース契約)に、借地借家法は適用されるのでしょうか。

 

サブリース方式をとる場合、サブリース会社は物件を転貸しているため建物直接占有しているわけではなく、借地借家法で保護されるべき賃借人といえないのではないか、という問題意識です。

 

この点、賃貸人と賃借人の合意の内容が建物の賃貸借契約であることが明らかであるから借地借家法が適用されるとして、当然のように借地借家法が適用される旨判断している最高裁の判例(最判平成15年10月21日)があります。

 

ですから、サブリース会社に建物を賃借している建物のオーナーがサブリース契約を解約するためには、(借地借家法が適用されるので、)解約6ヶ月前に通知するだけでなく(借地借家法第27条第1項)、解約を求める「正当の事由」が必要となります(借地借家法第28条)。

 

建物のオーナーは、サブリース会社へ建物を賃借するにあたっては、上記の事情(所有者の都合でいつでも解約できるわけではない)を十分考慮する必要があるといえるでしょう。

弁護士 鈴木基宏

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